天使こども園ニュース

こどもの眼 11月 園長 早川 成

  • 2025.11.13
  • 園長

「こどもの眼」~ わからないけど よくわかる ~ 
園長 早川 成

今年の運動発表会、いかがでしたか? 
名称を〝運動発表会〟に変えてからは、内容も進め方も、特に決まったものはなく、毎年子ども達の様子や遊びの志向に合わせて保育者が考え、時には子ども達と話し合って決めています。
ですので、「今年はどんな感じになるのかな?」と毎年の変化を味わうのがとても楽しみです。
今回、年長組の運動遊びを手伝っていて面白かったのは、雲梯やカベ登りなど、いくつかある選択肢のどれを選ぶか予測がつかない子がいたことです。
毎回同じのを選ぶ子は、上手にできるからとか、できるように練習したいからとか、選ぶ理由がわかるのですが、中には意表をついて「おっこっちに来たか!」と思えば、今度は「あれっこっち?」と、その時々で変わる子がいるのです。
選んだわりには上手くできない子もいますので、できないのにどうして選んだのかな?と思うことがありますが、表情を見ると「やってみたいんだ。」と言う顔をしています。
できるとかできないとかは関係なく、やる気で選びたくなる気持ちがよくわかるのでした。
ある朝のこと、男の子が「お休みの日に忍者村に行ってきた。」と話しかけてきました。
どこの忍者村かは忘れてしまいましたが、夢中になってその時の様子をお話ししてくれました。
ただ、嬉しそうに説明してくれるのですが、残念なことによくわからないのです。
一生懸命聞いた結果わかったのは、暗かったこと、冷たかったこと、怖かったことの三つです。
何がどうだったのかはわからずじまいですが、すごく楽しかったのはよくわかりました。
私は「そうか!忍者村って、暗くて、冷たくて、怖いけど、面白かったんだね!」と言うのが精一杯でしたが、「うん、すごく楽しかった!」と満足そうに笑っていました。
年長組で、ペットボトルのキャップでコマを作って遊ぶのが流行っています。
作るのを楽しんでいる子もいれば、作ったスタジアムでそれぞれ自分のコマを回して勝負に熱中している子たちもいます。
その勝負の場面で「2番になりたいのに…」とつぶやいている子がいたそうです。
見ていなかった私には2番を目指す理由が全くわかりませんが、そこにいた教師に聞くと、勝負の結果で自分のコマに強い弱いの順位をつけたいけれど、2番が決まらないという意味ではないかということでした。
なるほど、これはさすがにその場にいて見ていないとわからないなと思いました。
子どもの言うことやすることは、大人にはわからないことがたくさんありますが、意味がわからなくても気持ちが伝わってくることがよくあります。
わからなくても、よく聞きよく見て、付き合っていると、よくわかるのです。
意味や理由よりも、まずは思いを受け止めることが大事。
そのために、子ども達の傍にいることを大切にしていたいと思います。

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