天使こども園ニュース

こどもの眼 10月号 園長 早川 成

  • 2025.10.03
  • 園長

「こどもの眼」 ~ いい時間 ~ 
 園長 早川 成

「園長先生、へぇこいた!」9月半ばの連休明けの朝、門に立っていると一人の男の子が飛びついてきて言いました。
聞こえてはいましたがあまりに突然だったので「えっなに?」と聞き直すと、やっぱり「屁こいた!」と確かに言い、「おならしたってことだよ。」と説明してくれました。
「いや、それはわかるけど、そんな言葉どうして知っとると?」と聞くと「お父さんに教えてもらった。」と言って笑っています。
私も笑いながら、「そんなこと教えて、お父さんいかんねぇ…」と返したのですが、「もうっ変なことばっかり教えんでよね!」とお母さんに叱られているお父さんを勝手に想像して、もう一度笑わせていただきました。
その後も「あのね、きのうのきのうね、山に登った時に鹿と会ったんだよ!」
「ねぇねぇ、磁石ってどうしてくっつくのかな?園長先生、知っとる?」
と入れ代わり立ち代わり子ども達がやってきます。
しばらくして、「園長先生、〇〇くんが水かけたけん濡れた…」と女の子がやってきました。
「ありゃりゃ、〇〇くんいたずらやねぇ」と私が言うと「なんで男の子っていたずらすると?」とその子たち。
「そうやねぇ、楽しいからかなぁ。いたずらってなんか面白いやん?」
「え~っ?全然おもしろくな~い」と話をしていると、「きゃぁ!」と叫ぶ声が聞こえました。
見ると、カマキリを捕まえた男の子が河野先生の肩にカマキリを乗っけて「ぎゃははは」と笑っています。
まさにドンピシャのタイミングです。
「ほらね、あの子もいたずらしよるやん。面白くない?」と私が言うと、女の子たちは「まったく男の子って仕方ないなぁ」的な呆れた顔で行ってしまいました。
さて、実は9月の初めに体調を崩し、出勤はするものの本調子ではないので朝は職員室で過ごしていました。
一週間ほどしてようやく調子が戻り、久しぶりに門に立っていると、前述のように次々に子どもがやってきていろいろな話が飛び出します。
たあいもない会話、ただのじゃれあいなのですが、とても〝いい時間〟を過ごしました。
健康を取り戻すには体調のリハビリも大事ですが、子どもたちとのこんな時間は、心(気持ち)のリハビリになるなぁとつくづく感じたひとときでした。
日ごとに秋の気配が感じられるようになりました。
日も短くなりますが、こども達には日中は「動」の時間を、夕暮れからは「静」の時間を過ごし、たっぷりと秋の季節を味わってほしいと思います。
気候変動で日本の豊かな四季が失われつつありますが、夏が過ぎれば秋、短くても秋です。
虫の音に耳を傾けたり、夕焼け空を見上げたり、風を感じたり…、私たちも子どもたちと一緒に、五感を開放して秋ならではの季節感を味わいましょう。
そして、そのときに交わすほんの少しの何気ない会話が、きっと私達にとってかけがえのない〝いい時間〟になるのではないかと思います。

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