天使こども園ニュース

こどもの眼 9月号 園長 早川 成

  • 2025.09.01
  • 園長

「こどもの眼」
~とことん付き合う~ 

園長 早川 成

子どもの頃、夏休みが長いのは暑さが厳しいからだと教えられたように思いますが、こんなに暑さが続くと夏休みは9月下旬まで2か月以上あってもいいですね。
逆に、子どもだけで家にいるのも物騒ですし、学校にはクーラーがあるので、むしろ休みをなくして、夏は学校で過ごす方が安全安心かもしれません。
とはいえ、夏休みが終わりました。皆さんいかがおすごしだったでしょうか? 
私は、年長組のキャンプに始まり、7~8月中に研修会が7つも続き、締めくくりが「天使の虹色夏祭り」という、忙しいながらも、とても充実した夏を過ごしました。
そんな夏休みの出来事の中から、研修で学んだことをご報告します。
ご存知の方、またはお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、今、我が国の幼児教育は「保育の量」から「保育の質」に視点が移り変わり始めました。
いわゆる待機児童対策のために保育施設の数(量)を増やすことに懸命になってきましたが、子どもの心身の育ちに様々な心配ごとが目立ち始め、子ども子育ての環境の影響が指摘され、保育の内容や、教育の質が問われるようになっています。
そのような現状の中、保育者を対象にした研修も「保育の質とは?」「こどもの主体性を大切にした保育とは?」等、幼児教育の重要性とその在り方に触れたテーマが増えてきています。
・子どもの興味に寄り添う
・こどもの発想にとことん付き合う
これらは、「子ども達の遊びが、教師に教えられてではなく、自分たちの力で発展していくためには、どのような環境を創り、どのような関りが求められるか」という問いに対して、講師が提示した資料に書かれていたもので、それぞれの言葉に保育の実践事例が添えてありました。
「こどもの発想にとことん付き合う」で紹介されていた実践は、
『スイカ割りをしたいといったクラスでは、スイカをどうやって運ぶかを考えて、段ボールで車を作った。スイカを運べるかどうかを調べるためにスイカくらいの重さの物を載せては引っ張り、壊れては作りを粘り強く繰り返し、完成したときには秋になっていたけれど、無事にスイカ割りを実現することができた。』
『流しそうめんをしたいといった時は竹藪探しから始まり、流しそうめんができたのは11月くらいになってしまい、寒いからにゅう麺にした。』
『1・2歳児は色水あそびからスタートし、幼児クラスになると草木染めを始める。赤い花だからといって赤い色が出るわけではない。子ども達はどうにかして出したい色があると、園の中だけでなく、歩いている人や畑仕事をしている人に「こういう花の色を知りませんか」と聞くこともあった。』という、子ども達のエピソードでした。
どうでしょう?こどもってスゴイ!そして、保育っておもしろい!とつくづく思わされます。
そして私がしびれたのは、この保育実践に添えてある保育者のひと言です。
『子どもが遊びに没頭できる環境と心動かされる出会いを保証すること。そして、そこから動き出す力を支えることを大切にしている。物づくりや活動も子どもたち自身で発案して行えるようにしている。』とありました。 
先生たちの〝子どもの発想にとことん付き合う〟という覚悟を感じます。
子ども達の育ちは保育の質に、保育の質は保育者の志に支えられているのです。
当園の保育はまだまだ改めるところもやるべきこともたくさんありますが、教育の方針と、目指している保育は、まさに研修で学んだことと同じことです。
キャンプで始まり夏祭りで終わった夏でしたが、二泊三日のキャンプ生活でみた子ども達と教師たちの姿、夏祭りでのお母さん方やお父さん方の姿を思い出しながら、「天使はこれでいい!このままで行くぞ!!」との思いを強くしています。
これからも、子どもの興味に寄り添い、こどもの発想にとことん付き合える私たちでありますように…。
2学期も、どうぞよろしくお願いいたします。

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