天使こども園ニュース

こどもの眼 3月号 園長 早川 成

  • 2025.03.03
  • 園長

「こどもの眼」~ たからもの ~ 園長 早川 成
3学期の、そして年度の中でも集大成といえる「おもしろ発表会」が終わりました。ご覧になって、いかがだったでしょうか?
園長としては、まず「おもしろい!!」の一言。そして次に、「手応えあり!」の一言です。
この一年、子ども達は本当によく遊びました。
そのおかげで、先生たちも、とてもよく遊び、よく考え、たくさん悩み、たくさん学んだことと思います。
その〝軌跡〟が、作品になり、写真になり、文字になり、言葉になって、子ども達の成長をしっかり味わっていただくことができたのではないかと思います。
2022年の11月に、従来の作品展をこのスタイルに改めて3年が経ちますが、天使らしさにあふれる発表会になったと感じています。
子ども達の〝おもしろサイクル〟は、まず「おもしろそう→やってみよう」から始まります。
そして、やってみて上手くいかなかったときに、「なんで?→どうする?」と試行錯誤を経験します。
その結果「そうか!→いいね!」を経て、「おもしろい!!」にたどり着きます。
私たちはその様子を見ていて、〝おもしろい〟から学ぶことがいかに多いか、〝やりたい〟で育つことがどれだけ大切かをつくづく感じさせてもらっています。
その繰り返しがきっと「天使流」を創り上げてくれるのだと思います。
子ども達は、お菓子の空き箱、ラップの芯、牛乳パック等、たくさんの廃材を毎日嬉しそうに抱えて持って来てくれ、教室や廊下に置いてあるコンテナに入りきれないほどあふれていました。
捨ててしまう容器も天使ではもはや廃材ではなく立派な教材。
お家に積んであればゴミになる物も、使って遊べば〝宝物〟になるのでした。ご提供いただき、ありがとうございました。
さて、おもしろ発表会が終わると、年長組さんはいよいよ卒園が目前に迫ってきました。
何かにつけて、これで〇〇も最後だね…とか、最後の○○になっちゃったねとかいうことが多くなり、いろいろなことが思い出されて寂しくなってしまいます。
そのような中で、先日「園長スペシャル」の最終回を迎えました。
月に1回、園長が年長組の子ども達の「おもしろスイッチ」を刺激するような話をする時間です。
子ども達が「今日、園長スペシャルやん!」「今日は何の話?」と楽しみにしてくれていますので、私にとっても嬉しい時間になっています。
TV番組にヒントを得て「○○の世界」と毎回テーマを決め、4月の「森あそびの世界」に始まり、川遊び、キャンプ、虫や生き物をテーマにした〝いのち〟の話。
運動発表会前には「チームワークの世界」、クリスマスにはページェント(聖誕劇)に向けてセリフや演技に興味がわくような「シナリオの世界」、私が子どもの頃にやっていた遊びを紹介する「むかし遊びの世界」というテーマもありました。
そして、最終回は「宝物の世界」。
私が捨てずに大事にとっている〝宝物〟を子ども達に見せながら話をしました。
小学生の頃集めていた切手、お気に入りの鉄砲のおもちゃ、いつかどこかで拾った貝殻や石ころ、祖父にもらった虫メガネ、台湾のお土産に祖母からもらった翡翠(ヒスイ)の亀、松江城で買ったキーホルダー、幼稚園のお便り帳(これはとっておいてくれた母親に感謝です)、小6の時に高良山に探検に行って洞穴を見つけた時の地図等々です。
おもしろかったのは、抜けた乳歯(なぜか捨てずに取ってあります)を見せながら「お母さんに屋根の上に投げなさいって言われたのに、内緒で捨てずにとっておいたんだよね。」と言うと、何人もの子に「いかん!」「悪い!」「園長先生なのに!」と真顔で怒られ、先生たちと顔を見合わせて笑ったのでした。
クラスに戻った後、担任たちもそれぞれの宝物を子ども達に見せて話をしたようですが、最終回の園長スペシャルで、私たちが伝えたかったのは、宝物の一つひとつには思い出があるということ。
本当は、宝箱に入れてとっておいた品物が大切なのではなく、その時々の思い出が大きくなった時の宝物になるということです。
少しでも、何となくでも、そのことが子ども達の心に届いていればいいなと思います。
先日、年長の女の子が飛びついて来て私のお腹に顔をうずめて言いました。
「園長先生、いいニオイ!」胸がキュンとした次の瞬間、「スイカのにおいだね!」と一言。
嗅覚と視覚が混乱したのでしょうか?
ズッコケそうになりながら、この出来事もその子は忘れてしまうでしょうが、私にとってはいい宝物になるなぁと思ったのでした。
一年のいろいろな出来事を思い出しながら、子ども達の成長を感じて過ごすこの季節。
子ども達とのエピソードをしっかり宝箱に入れて置こうと思います。
一年間、どうもありがとうございました。

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