天使こども園ニュース

こどもの眼 9月号 園長 早川 成

  • 2024.09.03
  • 園長

~ 五輪に学ぶ ~ 
園長 早川 成

パリオリンピックが終わりましたね。ご覧になりましたか?
私は、なぜか自国開催の東京五輪よりも観る機会が多く、印象深い競技が沢山ありました。
その一つは柔道です。
心に刻まれたのは勝負の行方やメダルの数ではありません。
畳の上の〝結果〟ではなく、そこに至るまでに選手が経験したことや、その時々の思い、五輪への夢や決意等、それぞれが歩んできたプロセスに心が熱くなりました。
 新聞に、100kg超級の斎藤立選手についての記事が載っていました。
斎藤選手はロス五輪とソウル五輪で二連覇された柔道家斎藤仁氏(2015年逝去 享年54歳)の二男で、親子二代の五輪出場となりました。
記事には、小学生の頃、当時日本代表監督であった父親から厳しく指導を受け、泣きながら練習した立選手が母親に甘えたことや、当時から体が大きく、街の中にある噴水に裸になって飛び込むような突拍子もない行動もあったというエピソードが紹介され、ご本人も「ぼくは当時の記憶がない。ほとんど本能で、理性がなかったと思う。」と振り返っていました。
母親の三恵子さんは、立少年の有り余るエネルギーを消費させようと、できるかぎり遊ばせ、「大変だったけど、主人とこどもの柔道を見て、遊んで、あの時代は楽しかった。」と語り、その後、中学生では全国大会を制し、父親の母校である国士館高校・大学に進み、親子で五輪出場を果たした斎藤選手は「あの人(母親)の愛に支えられて、ぼくはこんなに大きく育った。」と語っていました。
国を代表する柔道一家の特別なヒストリーではなく、子育てを通して生まれる親子の〝物語〟として、大切なことを学ぶことができました。
また、柔道に限らず、どの競技にも、選手一人ひとりが選び、歩んできた道がありました。
ライバルがいれば、支えてきた人もいます。
努力が報われた選手がいる一方で、目標に届かず悔しがる選手や、頑張ったのは無駄だったのか?と声を落とす選手もいて、本当にそれぞれなのでした。
五輪は様々な歴史と文化を持つ世界の国々から、それぞれの生き様や思いを持つ選手たちが集う「平和の祭典」です。
言い換えれば、それは、〝個性と多様性の象徴〟だと思います。
しかし残念なことに、今回のオリンピックでは、選手や審判へのSNSによる誹謗中傷が目立ちました。
それは、個々の思いを尊重できず、多様性を受け入れられない姿です。
私たちが目の前にいる子ども達とこの先どんな〝物語〟を紡いでいくのか!
大切な視点を与えられています。

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