こどもの眼 5月号 園長 早川 成
「こどもの眼」
~ しあわせな瞬間(とき) ~
園長 早川 成
どんな仕事でも(いや仕事に限らずですが…)、いいこともあれば、悪いこともあるし、嬉しいこともあれば、辛いこともあるのは当たり前のことです。
また、幼稚園や保育園をはじめ、子どもや子育てに関わる仕事をしている人はたくさんいますが、その職業を選んだ理由ややりがいは、人それぞれだと思います。
突拍子もない書き出しで申し訳ありませんが、どうぞお付き合いください。
さて、誰にでもあるように、私にも、嫌なことがあったり、疲れていたり、いわゆる調子が悪い時があります。
そんな時に、子どもの表情や仕草、お母さんたちとのやりとりなど、些細なことで気持ちを切り替えられたり、この仕事っていいなと思えたりすることがあるんです。
ちょっとご紹介してみますね。
・子どもが無意識にやっているスキップ
・気持ちはわかるけれどスキップになっていないスキップ
・握りしめた手の中のダンゴムシを見せてくれるときの愛おしそうな表情
・新しい靴を、足を差し出してアピールするときの自慢げな顔
・挨拶するとうつむいて黙っているけれど、のぞき込むとニヤリと笑っているときの顔
・抱っこされて浮かぬ顔で登園してきた子が、お母さんの背中越しにこっちを見ているので手を振ると、複雑な顔でちょっとだけバイバイを返してくれる時の微妙な手の動き
・私に話しかけるときに、間違えて「ママ」と言ってしまったときの照れくさそうな顔
・二日前の出来事を嬉しそうにお話してくれるときの、「あのね先生、きのうのきのうね…」という言い方
・門の前まで来て忘れ物に気が付いた時のお母さんのなんともいえないショックな表情
・手をつないで職員室にやってきて、「おはしをかしてください!」と元気に言う子と、その隣に黙って立っているおはしを忘れた本人
・登園時、反対から友達が来るのを見つけ一緒に行こうと思って待っていたのに、いざ門の前まで来ると素通りされバラバラに走り去っていく姿と、それを見て笑うお母さんたち
・一生懸命話し合っているので近づいて耳を傾けてみると、実際は話が全くかみ合っておらず、それぞれに言いたいことを言い合っているだけだったとき
…と、例えばこんな感じです。
何でもないことですが、私にとっては、クスっと笑ったり、ほっとしたり、癒しの時間になっています。
新年度が始まって早ひと月が経ちました。
まだまだ慣れない中ではありますが、子ども達と保育者も、保護者の皆様とも、少しずつ雰囲気が見えてきた気がしています。
これから、どんなエピソードが生まれるのか楽しみで仕方ありません。
みんなで〝しあわせな瞬間〟を共有し、大切に育てていければと思っています。
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