天使こども園ニュース

こどもの眼 1月号 園長 早川 成

  • 2022.01.12
  • 園長

「こどもの眼」
~ 個別最適な学び ~ 
園長 早川 成

2022年の幕開けです。
年を取るごとに時の経つのを早く感じるのは、生活が単調になるからだと聞いたことがあります。
私としては、エピソードに事欠かない、変化にとんだ毎日なので、自分には当てはまらないと思っていましたが、ふと考えると、その日その日は違っていても、計画や予定の中で過ごしているので、「もうこんな時期か」「次はあれだな」と、見通しのつく生活をしていることに気が付きます。
今年度はまだお会いしていませんが、森の中で暮らす〝もりぞうさん〟のように、時計もカレンダーもない、自然に身を任せる生活が理想だなぁと、思ったりもします。
ご本人は「森の暮らしは、自由ばってん大変ばい!」と言われますが、ちょっと憧れてしまいますよね(笑)。
さて、いつも年の節目には新しい一年をどんな気持ちで過ごそうかといろいろと思いめぐらします。
そんな中、今年のキーワードとなったのは、2学期末の研修で何度も耳にした「個別最適な学び」という言葉です。
講師は、「指示・命令よりも疑問・提案・誘いを」「生活体験・自然体験・5感を活用した体験を」と、一人ひとりの子どもを育む保育を語り、環境を通じた保育、主体性を尊重した保育、発達を踏まえた教育、遊びと生活中心の経験主義的教育の重要性を説かれました。
特に嬉しかったのは、「個別最適な学びは幼児期にこそ!幼稚園でこそ!」と言われたこと。
当園の挑戦を、全面的に後押ししてもらっているようで大いに励まされたのでした。
年末、小4の孫が一泊二日で遊びに来ました。
夜、一緒にお風呂に入り、湯船の中で話をしました。
学校は楽しい?勉強はどう?と尋ねると、「割り算が難しいんよねぇ。算数のテストでガムの値段が何円になるかっていう問題があったっちゃけど、計算したら3円になったんよね。それで安すぎると思って、計算しなおしたら十何円になったんよ。で、書き直して出したら、3円であっとった。3円ってないやん?じぃじ、そう思わん?」と真面目に言うのです。
私は笑いをこらえながら「そうか~、安いけど3円が正解やったかぁ。算数って難しいね。」と答えながら、計算問題をこんな風に考えてしまう孫は、この先勉強で苦労するだろうなと思いました。
そして、「ひっ算ができんでも、計算機が使えりゃよか。買い物にじゃんじゃん連れて行こう!個別最適な学びたい!」と、〝じじバカ〟を自覚したのでした。
きっとこんな子がいっぱいいるし、私が話をしていて楽しいのはこんな子です。
むしろ、いろんな子がいた方が楽しくていい世の中になるんだろうに…と思ってしまいます。
皆が同じことを同じようにできるようになることだけを目指す世界では、生きづらくなってしまう子が必ずいます。
そう考えると、「個別最適な学び」を保障できる場は、とても大切で、魅力的な世界だと思えてなりません。
2022年のmyテーマです。

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