こどもの眼
「こどもの眼」 ~ 1+1=4? ~
園長 早川 成
猛暑対策だといい訳していたビールの飲みすぎが、秋になっても止まりません。
昨年の秋に登山で膝を痛め、年明けから頑張ってせっかく7㎏ほど体重を落としたのに、夏の飲み過ぎ食べ過ぎの勢いが止まらず、すでに半分ほど戻ってしまいました。
理由ははっきりしていて、毎晩のように息子と一緒に夕食を食べながら飲んでしまうということです。
体重が増えたとか、腹が出てきたとか、そろそろトレーニングを始めんといかんとか、お互いに気にしながらも、「とりあえずビールいく?」「いいね!」「じゃ、お疲れぇ~」という毎日です。
一緒に仕事をするようになり、保育のことや、子どもの話で盛り上がるので、お酒も進みます。
なので、一人で飲むと1本で終わるビールが、二人になると2本ずつに…。ということで、1+1=4ということになってしまうのです。
ある日の事、「園長先生お腹が出とる!」と 年中組の男の子が私のお腹を叩きながら言いました。
私が「夏休みにビール飲みすぎたっちゃんねぇ。」と笑うと、その子が言いました。「うちのお父さんも、酔っぱらっとる。」
「あはは、そうなんだ。先生と一緒だね。」と、まぁここまでは、よくある展開なのですが、その子が突然「ボクのうちは大人が二人しかおらん」と言うのです。「???」意味が理解できずにいる私に、その子がボソッと言いました。「お父さんとお母さんが二人ともお酒飲んだら、お出かけができんくなる。」
なるほど、そういうことか!と納得しました。
それにしても「うちは大人が二人しかおらん」という言い回しはなかなか味があると思います。
「大人がもう一人いればいいのに」、または「ボクが運転できたらなぁ」と言う意味にも取れますが、私には、「よし、今日はもう飲んじゃおう!かんぱ~い!」とビール片手に嬉しそうなご夫婦と、「あーあ、お父さんもお母さんも飲んじゃった。こりゃ、もうお出かけは無理だ…」とあきらめ顔のその子が目に浮かびました。
「園長先生、うちの父ちゃんと母ちゃんときたら、いつもこうなんだよ。まったくもう、困っちゃうんだよねぇ」とでも言いたげな、呆れた感じの口調と冷静な表情がおかしくてたまりませんでした。
さて、私のお腹の成長はさておき、子ども達の成長はこれから一気に加速します。
興味関心が広がり、友達との関わりが深くなり、遊んでいる様子も会話ややりとりも、ひと味違ってくるのです。
門に遊びに来た2歳児さんが、私の手を握って「おてて、痛い痛いしたの?」と言いました。絆創膏が貼ってあるのを見つけたのです。
反対の手を握っている子は、浮き出た血管を触りながら「これなぁに?」と不思議そうにしています。
この季節、まだまだ面白いことが起きそうでワクワクします。
両手に一人ずつ、1+1の子ども達との遊びが2で終わらずに、4にも6にもなるような関わりを楽しみたいと思います。
COPYRIGHT © 2019 KURUME TENSHI KINDERGARDEN All Rights Reserved.