天使こども園ニュース

こどもの眼 10月号 園長 早川 成

  • 2021.10.01
  • 園長

「こどもの眼」
~ 仲直り ~ 
園長 早川 成

始園日の朝、門に立っていると子ども達が次々とやってきました。
「あのね、ボクね、ピーマンが食べられるようになったんだよ!」と年中組の男の子。
次にやってきた年長組の女の子からは、「あのね、まだ園長先生に言ってないことがあるんだけど…。
私、髪の毛を10cm切ったの。」という報告がありました。
夏休み中に好き嫌いが減ったことを、久しぶりに会った私に伝えに来てくれたことが嬉しく、秘密の告白のようなドキッとさせる前置きの言い回しが面白く、子ども達との会話が一味違っていることに成長を感じた二学期のスタートでした。
そのような中、一人の年長の男の子との会話も久しぶりに楽しんでいたのですが、調子に乗り過ぎてしまいました。
「久しぶりだね。しばらく会ってなかったから、夏休み前と何かちょっと違う感じがするなぁ。まさか、ニセ者じゃないよね?」「違うよ、ボクだよ。」
「じゃあ試しに質問するよ。先生は誰でしょう?」「園長先生!」
「正解!ちゃんとわかってるね。だったら本物かな。」
「じゃあ、ちょっとこっち来て。この先生は何先生?」
「えっと…」(ちょっと戸惑って名前が出てこなかった様子)
「あれっ、わからんと?大変だ、やっぱりニセ者やん!」と、ふざけていると、その子が急に怒り出し、口をとがらせて走って行ってしまったのです。
一緒に遊んでいた子が追いかけていくと、総合遊具のトンネルの中で怒っていて、「来るな!」と言われてしまったようです。
私は、予想していなかった展開に「悪いことしたなぁ。さて、どうしようか…」と迷いながら、このケンカ?がどのような結末を迎えるのか、無事に解決するのか(またはしないのか)、しばらく様子を見ることにしました。
すると、どれぐらい経っていたでしょうか、その子が私のところにやってきて、ふくれっ面で「あのね、ニセ者っていうのはどこかにいるかもしれないけど、ボクはニセ者じゃないんだよ。」と、言いました。そこで私は、「園長先生は、本当は〇〇くんがニセ者じゃないってわかってたけど、ふざけ過ぎちゃったね。嫌だったんだね、ゴメンね。」と謝りました。
すると、ニコニコの笑顔にガラリと変わり、いつものようにじゃれ合って遊んだのでした。
年の差53歳、しかも園長と園児のケンカなんて前代未聞ですね!大反省です。
でも、ケンカの後の気まずさと、仲直りの時の嬉し恥ずかしい感じは、とっても懐かしい感じがしました。
大人同士だとこうはいきませんよね。表面的にとりつくろったり、絶対に引かなかったり、遺恨を残すこともままあります。それに比べて子どもって本当に素敵です。「偉いなぁ…」と心からそう思いました。
結局は、子どもの成長よりも、成長しない自分を思い知ることになりました。
こんな大人げない園長と付き合うのも大変でしょうが、子ども達には、どうか見捨てないで、学ばせてもらいたいと願っています。

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