天使こども園ニュース

げんきワールド 6月号 体育講師 手嶋和仁(げんきスポーツ)

  • 2021.07.01
  • コラム

梅雨真っ只中?のはずですが、ほとんど雨が降りませんね。
日中は真夏の暑さ!6月に入っての体育教室は熱中症の危険と、暑さによるこども達の集中力低下を配慮して、屋内ですることが多くなってきました。
たまに“今日は少し涼しいかも♪”と、外で体育教室を始めると、みるみる気温が上がっていきます。
午前中は園庭の日陰が少なく、僕はず~っとジリジリと太陽に照らされているので、(しまった~っ(汗)やっぱりお部屋でするべきやった~)と後悔すると共に見苦しいほどの汗をかくのですが、その様子を見ていた一人の子が「手嶋先生泣きよる~!」と、真顔で言いました。
すると続けて何人かの子が「ホントや~ん!」と… 僕の“涙袋”の下の方に汗が溜まっているのがこども達には涙に見えたのでしょう!
おもしろいなぁと思いながら「先生、めっちゃ暑いけん、涙が出てきたよ…」と言う僕に「ここに来ていいよ~」と、せま~い日陰にいれてくれようとする、優しいこども達でしたが、「じゃあ先生の場所(日なた)とみんなの場所(ひかげ)交代しようよ!」と言うと「いやよ~!だってそっち暑いもん~」「やっぱり先生がそっちね!」ですと…(笑)こども達とのやりとりって本当に面白いっ!!
 
 さて先日、体育教室で鉄棒の“前回り”をしました。
やったことがある子も多く、一見シンプルな技のように見えるのですが、鉄棒を使った運動の中では一番怖がる子が多い種目です。ただ跳び乗って回るという動きの中には、実に様々な力や動きが組み合わさっていて、鉄棒に跳び乗るためのジャンプ力、手足を伸ばして鉄棒の上で静止する支持力、おへそを見ながら体を丸める動きや、落ちないようにしっかりと鉄棒を握る握力、回転するときに、鉄棒を握っている手を回すための力の強弱…といった力や動きの他にも、回る度胸や思い切りも、勿論必要です。
こども達が怖がる原因は色々あるのですが、まず足が地面に着いていないこと(高い所)や、前に回る(経験が少ない子は、倒れるような感覚になってしまう)動き、頭と足が反対(さかさま)になる事などが、主な理由なのですが、これらの動きは日常生活の中ではあまりしない子も多いのではないでしょうか?
経験がなかったり、少なかったりすることを「はい、やってみて!」といっても怖いでしょうし、「できるかな?」と不安になるのは当たり前のことです。
だからといって、お家で毎日逆立ちを練習したり、しょっちゅう高いところに連れて行って「はい、慣れて!」なんていわれても、こども達には良い迷惑です。
鉄棒が怖い…と思っている子にくり返し練習させるのはもってのほか!何より同じ事のくり返しじゃ楽しくありません。ではどうしたらよいか…たくさん体を使い、動かして遊ぶ経験をたくさんさせてあげることです!好きなように、走り回り、登ったり、降りたり、ジャンプしたりして遊ぶ!これだけで体力や身のこなしの様なものも身に付いてきますし、お友達と一緒に遊ぶ事で、こども達なりのルールや決まりを自分たちで考えるようになり、社会性も身に付いてきます。
自分の体を使っていっぱい遊ぶ中で、面白さを見いだし、自信をつけ、時々怪我をすることで(こうすると危ないな!)危険な動きを回避する力をつけることを身をもって体験しながら覚えていきます!こども達の遊びの中にこそ、鉄棒で回れるようになる要素や、跳び箱を跳べるようになる力が隠れているのです!            …とはいえ、前回りを怖がる子はやっぱりいます…そんなときは回る前に、お家の方がお子さんの正面(まえ)でしゃがんで「こっちにゆっくり回っておいで」と優しく声をかけ、抱き寄せるようにすると回れることが多いので、是非お試しを!
「はよ、回ってよ!」なんて声を荒げたり、ゆっくり少しずつ回ろうとしている子を“えいっ!”と前に押すのも、絶対だめですよ!二度と鉄棒に近寄らなくなりますので…

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