天使こども園ニュース

こどもの眼 4月号 園長 早川 成

  • 2021.04.17
  • 園長

「こどもの眼」
~ 新しい生活様式 ~ 
園長 早川 成

2021年度が始まりました。
年度末を締めくくって新年度を迎え、卒園児とお別れをして新入園児と出会う。
終わっては始まり、始まっては終わりの繰り返しですが、その度に新鮮な気持ちになります。
気合いを入れ直したり、日常を見直してみたり、毎年この時期は、私にとって心身のメンテナンスとアップデートの季節です。
さて、昨年度は「こどもファースト」をテーマに掲げてスタートしましたが、今年度はそれを継続しつつ、更に「遊びとは何か?」にとことんこだわる一年にしたいと思っています。
保育のカリキュラムも行事も、これまでやってきたことを参考にして今年の内容や方法を考えるのではなく、子ども達の関心ごとや興味の度合い、個々の成長や集団の様子を見ながら検討します。
目の前にいる子ども達の遊んでいる姿から、今どんな保育が必要なのか、どんな行事を何のためにやるのかを一から考えてみようと思っているところです。
昨年からのコロナ禍によって様々な制限が生じ、あらゆることに見直しや変更の決断をせざるを得なくなりました。
いつまで続くのかわからない悩ましい状況の中、少しでも早く収束することを祈るばかりですが、私は幼児教育に関しては元通りになることを願っていません。
コロナ前の保育に逆戻りするのではなく、このチャンスに変化と進化を期待したいと思っています。
コロナ禍で求められるマスクや消毒や3密回避は、子ども達の育ちに大きく影響します。
マスクによって表情が読み取れないとか、会話やスキンシップが思うようにできないなど、愛着形成やコミュニケーションの力を育むのに必要な経験が制限されてしまうのです。
そんな中で、子どもの〝育つ力〟を育てるために、「遊び」はもっと自由に、もっと多彩に、より深く、より個々に合わせた環境を準備しなければならないと思っています。

先日、県の新任教師研修会で、講師の幼児教育の研究者が「予定通りの保育をしない」「手順や段取り、シミュレーションどおりに進めるのではなく、臨機応変に、発見を楽しむ保育を!」と、求めていました。
「教科書がなく、到達度で評価しない幼児教育では、結果を最初に目的にしない。
つまり保育には小学校の授業のような〝めあて〟はない。」と言われていました。
もちろん当園では、これまでも結果を評価する保育はしていませんし、できばえ重視の行事でもありませんでしたが、「保育が予定調和になっていませんか?」「完成や結果を目指していませんか?」と問われると、ちょっと考えてしまいます。
行事は見せるためではないし、特訓もしませんが、練習が続くと、子ども達は少なからずストレスを感じます。
農園に種蒔きに行っても、虫捕りがしたい子は退屈です。
森で焼き芋をしてさんざん楽しんだあとに「今日ぜんぜん遊べんやったやん!」と言われてしまったこともあるのです。
そう考えると、もっともっと子どもの遊びを追求しないといけません。
遊びを保育に活かし、子ども達の思いを行事につなげていきたいと思います。
自動的に水が流れる便器の普及で、学校では、用を足した後そのままになっているトイレが増えているそうです。
保育現場では、消毒液のポンプは押すことができるけれど、手を洗うのに蛇口をひねる意識がない子がみられるようになりました。
子どもの育ちは、良いも悪いも生活環境の影響をまともに受けるものなのです。
子ども達にとっての〝新しい生活様式〟は、コロナ対策よりも、育ち対策であり、遊び対策です。
今年度は今まで以上に子ども達の主体的な「遊び」にこだわります。
皆様のご理解とご協力をお願いします。

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