天使こども園ニュース

こどもの眼 1月号 園長 早川 成

  • 2021.01.15
  • 園長

「こどもの眼」
~ 心の財産 ~ 
園長 早川 成

1年前のてんし通信。「20年前、2000年問題で騒いでいたのがついこの間のようです(中略)今年は令和の2年目、21世紀になって20年目を迎えます。どういう年になるでしょう?いや、どういう年にしたいですか?」と書き出しています。
まさか、このような1年になるとは想像もしませんでした。
「どういう年にしたいか?」どころではなく、降りかかった事態にどう対応するか、どのように決断するか、その時々の状況に合わせて、進むべき道を選び取って行かなければなりませんでした。
〝決断〟をするときに必要なことを挙げると、一つ目に「情報」、二つ目に「経験」、その他「協議」や「連携協力」等いくつかありますが、情報が錯綜して混乱している上に、何しろ〝経験したことのないこと〟を経験しているのですから、最初の二つは当てになりません。
そんな中で、多様な意見に耳を傾けながら、チームワークで決断することを心掛けてきましたが、それが本当に大切であるという手応えを強く感じています。
ご存知のように、当園は経験から学ぶことを教育方針としていますが、この一年は特に〝経験したことのないこと〟から学ぶ大切さを感じています。
初めてのことやわからないことに出会うと、まず考えなければなりません。
皆で知恵を出し合い、力を合わせることが必要です。
様々なことに挑戦するチャンスでもあり、これまで取り組んできたことを振り返る機会にもなりました。
その一つ一つがきっと私たちの「力」になると信じています。まさに「経験は力なり!」です。
最後の学期を迎え、まだまだ続くコロナ禍にあって、子ども達にもそのように、自分で考え、皆で協力し、チャレンジし、励まし合って、成長していって欲しいと願っています。
保護者の皆様にも、どうぞこれまで以上に、そのような当園の理念方針を御理解いただき、ご協力いただきますよう、今年もよろしくお願いします。

2学期の終わりのこと。年長さんと「わちゃわちゃの森」に向かうバスの中で、サンタさんに何のプレゼントを頼んだかということが話題になりました。
「オレ、鬼滅の〇〇」「ぼくは鬼滅の△△」「私、プリキュアの□□」など、私には全くわからず(あとで聞いたら久保先生もわからなかったようです。)「ふ~ん」と答えるしかありませんでした。
そこで「久保先生は小さい時どんなプレゼントが嬉しかった?」と尋ねてみると、「リカちゃん人形のお家」との返事。次に私にも聞かれたので、「園長先生はミニカー。赤いスポーツカーのカッコいいやつ!」と、ちょっと得意げに答えました。
すると、運転席の後ろからぼそっと一言。「なんか、しょぼいね。」との声が聞こえたのでした。
今度は、「ふ~ん」ではなく、「う~ん」と考えてしまいました。

時代の流れは承知の上ですが、流行り廃りのスピードがあまりにも速く、せっかくもらった物や嬉しくてたまらなかった出来事が、思い出として残らないとすれば残念なことです。
プレゼントで手に入れるのは「物」ですが、それよりも、後々まで心に残る「思い出」の方が、成長のための大切な財産になると思うのです。
リカちゃん人形で何かを家や家具に見立ててごっこ遊びをしたり、ミニカーで畳の縁を道路にし、箱を並べて町を作ったりして遊ぶ中からリカちゃんハウスやトミカタウンが誕生します。
こどもが商品に遊ばされるのではなく、こどもの遊びから商品が生まれていた時代、楽しい思い出が沢山あることを嬉しく思います。
まとめの3学期。形や物ではなく、子ども達の心の中に財産となるような思い出を残すことに全力を尽くしたいと思っています。

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