げんきワールド　12月号　体育講師　手嶋和仁（げんきスポーツ）

• 2020.12.05
• コラム

　大変恐縮ですが、先月号の続きです…
結局、二男は遊びに行ってしまい、家族みんなで“寿司屋でお祝い”は、できなくなってしまいました。
「また来週行けばいいやん」という奥さん、「今日のこのタイミングやけん行きたいんやんか！」と言う僕…
そんなやりとりをした後、昼過ぎから“寿司モード”になってしまっていた僕は、近所の回転寿司で持ち帰りをしてきてしまいました。
もはや長男の勝利祝いとは無関係に、僕の「寿司が食べたいっ！」という欲望のままに…その日の夜は、家でささやかなお祝いとなりました。
もちろん、遅く帰ってきた二男の“寿司ネタ”があまり残っていなかった事はいうまでもありません。
　そして翌週…土曜日は“大学受験”、日曜日にはいわゆる“強豪校”との試合が待っていました。前の週にも増してピリピリモードの長男。
受験と試合両方のプレッシャーは相当なものだったのでしょう。その週の水曜日…またまた事件が起こります…
些細なことから兄弟げんかが始まり、最初は“言い合い”だけだったのがだんだんヒートアップ！
長男が寝っ転がっていた二男に軽く“蹴り”を入れたところ、なんと二男が長男の顔を“グーパンチ！！”これにはさすがにビックリ！
すかさず反撃に出るであろう長男に“待った！”をかけ、なんとかなだめ、長男は自分の部屋へ…
「よくこらえきったね」なんて奥さんと話をした４～５分後…長男の部屋のドアが“バーンッ！”と勢いよく開いたと思ったら「やっぱり許せんっ！！おるぁぁっ！」のセリフと共に長男が飛び出してきました！その瞬間、二男に殴りかかり取っ組み合いの大げんかが始まりました。
最初は「もうやめとけ」と、状況を見守っていたのですが、舞台はリビングから廊下へ、ますます激しくなるけんか…
「やめろって言いいよろうがっ！！」と仲裁に入ったのですが、中３高３とはいえ、現役のラガーマン、思っていた以上に力が強く長男の頭を“ヘッドロック”状態にし、二男と引きはがしますが、抵抗してきた際に僕は胸を強打。それでも何とか長男を押さえ、ここで試合終了。
僕の胸にはそれはそれは立派な青あざが、１週間ほどついていました。うちの兄弟げんかには暗黙のルール“顔は絶対に殴らない”というのがありまして、それを破った二男が許せなかったそうで…
　そんなこんなで、色々ありましたが、長男は顔を腫らす事無く無事に受験を終え、２回戦、強豪校相手に大敗はしましたが、やりきった清々しい表情で、高校ラグビーを引退しました。
格上の相手に、諦めることなく必死に声を張り頑張る姿に思わず“ぐっ”ときましたが、何とかこらえ、横の方で応援していた奥さんを含めたお母さん軍団にふと目をやると、滝のような大号泣！それを見た途端、“つつ～っ”と…ラグビーの事で悩んだり揉めたりしたことは数え切れませんが、良い思い出として、手嶋家の中にずっと残っていくことでしょう。
そして、今度こそ、家族全員そろっての“お疲れさん会”が、やっぱり寿司屋で開かれました。
そこで長男から聞いたのですが、試合終了後、何人かの３年生部員が長男の所に駆け寄ってきて「ありがとう○○！○○のおかげで、３年間楽しかった！○○がキャプテンで本当に良かった…」なんて言いに来てくれたそうで…いつもより多めにお酒が入っていたせいもあるのでしょうが、その話を聞いてまたもや“つつ～っ”と…　　　
上手くもなければ体格が良いわけでもない長男でしたが、キャプテンを任されていました。自分のプレーに対するもどかしさ、立場上何かと気苦労もあっただろうし、先生に怒られる事も、もの凄く多かったようですが、とても良い経験をさせてもらうことができました。
長男がこれから生きていく上での大きな糧になったことでしょう。そして、来年からは二男の高校ラグビーが始まります！どんな風になるか分かりませんが今から楽しみです！
２号に渡り、うちネタとなってしまいすみません…こんな感じですが、来年も読んで頂けると嬉しいですっ！