天使こども園ニュース

園長コラム「こどもの眼」6月号

  • 2018.06.06
  • 園長

「こどもの眼」
~ めがでたよ! ~ 
園長 早川 成

「先生、前に割りばしでゴム鉄砲作ってくれたことあったやん?あれ、どんなんやったっけ?」
4月末のこと、卒園児がたて続けに遊びに来ました。出張に出かける直前でバタバタしていましたが、相変わらずの好奇心に満ち溢れる眼差しで訴えられると、「忙しいけん今度ね!」とは言えず、いささか雑ではありましたが急いで作りあげ「これを見て自分で作ってみらんね」と言って渡すと、喜んで帰っていきました。
それからしばらくしたある日、再びやって来て、「先生、自分で作ったバイ!!」と自慢げにゴム鉄砲を差し出します。手に取って見ると、私が渡した見本通りではなく、自分たちで工夫したオリジナルの作品が出来上がっています。「おっ、スゴイやん!」「やろ?ほら見て!作りよるとき、カッターで指切ったとばい!」と傷を見せてニヤっと笑います。すっかり嬉しくなってしまった私が「ほう、ケガしたか?いいねぇ!そうやって上手になっていくっちゃんね。よく頑張ったな!」と褒めると、「でさぁ、戦いはいつすると?」と言うのです。いたずらっぽく笑う二人を前に「えっ?戦い…?」と絶句する私。近くにいた教師に目をやると「園長、最初に来た時に〝上手にできたら戦いごっこしよう〟って言ってましたよ」と笑っています。
同じく4月、もう一人卒園児がやってきます。「先生、何しよると?」「久しぶりやね。新学期になったけん、壊れたところとか、危ないところを修理しよるったい」「ふ~ん。手伝ってやろうか?3時45分までなら大丈夫やけん」…ということで作業を手伝ってくれましたが、時間の指定が細かいのに吹き出したあと、私は彼のその仕事ぶりに、とても驚くことになります。「同じ高さに合わせて動かんように抑えとって」「110㎝のとこに印つけて」「+のネジの一番長いのをちょうだい」「ペンチと釘抜きをとって」等々、私の指示や問いかけに見事に応えることができ、立派に助手を務めることができるのです。こどもは皆、私が作業をしていると興味津々で寄って来て手伝いをしたがります。その子もそうでしたが、当時とは別人のように出来ることが増えています。長さや道具の名称等〝知識〟を身に付け、難しい指示を〝理解〟できるようになり、力の入れ具合や道具の使い方等〝技術〟も格段に成長しています。更に、何より嬉しかったのは「ドリルのコードをコンセントに差して」と頼んだら、間髪おかずに「ドリルすんのか~い」と絶妙の間で返してくれたこと。ユーモアのセンスも相変わらず健在でした。天性と言っていい人懐っこさと茶目っ気は色あせることなく、やりとりを楽しむ力にも磨きがかかっています。そんな彼の「コミュニケーション能力」は、その子にとって、きっと一生の財産になるだろうと確信しました。
毎年3月に、卒園していく子どもたち一人ひとりの成長に大きな手応えを感じ、自信を持って送り出すことができていますが、その一方でのびのびと遊び、園生活を活き活きと楽しんだ子ほど、卒園後にどんな毎日を過ごしているのかが気になります。前述のエピソードの主人公たちは、小学校入学当初、環境の違いにしばらく悩んだ時期もあったようですが、その後どちらも〝らしさ〟を失わずに、その持ち味をさらに輝かせながら成長しているのがわかり、ひと安心しています。 
5月に入ってから、新一年生の授業参観の案内が届き始め、いくつかの小学校に卒園児の様子を見に行く機会がありました。ある小学校で、廊下に貼ってある「あさがおの観察記録」に卒園児の名前を見つけました。(原文のまま)

あさがおの
めがでたよ。
めがでたよ。
おおきいな。
いっぱいっぱい
がんばってね。 
だいすき あさがお

特に最後の一行にはしびれてしまいました。
一生懸命〝あさがお〟を育てている、彼自身の感性が豊かに育っているのが感じられます。「めがでたよ!」
その子の心の中に素敵な芽が出ているのをとても嬉しく思います。

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