天使こども園ニュース

こどもの眼 10月号 園長 早川 成

  • 2020.10.01
  • 園長

「こどもの眼」
~ 頑張れ小学生! ~ 
園長 早川 成

「風が強くなってきたね。台風が来よるらしいよ!」
「うん、知っとる。テレビで言いよった。車が倒れたりしよるらしいよ。」
そんな話を年長さんとしていると、近くにいた年少さんが話かけてきました。
「あのね、ぼくのうち、車が新しくなった。」
「へぇ~、車買ったと?」
「うん、そう。」
「いいなぁ~。」
すると、隣にいた子が言いました。
「うちの車ね、トラックより大きい。」
「えっそんなに大きいと?すごいなあ!」
今度は、そのまた隣の子が参加してきました。
「ボクのうちの車、オンボロ。だけん、新しいの買わんといかんと。今、どんなのがいいかなぁって考えよるとこ。」
「そっかぁ。園長先生の車もオンボロになってきたけん、新しいの買いたいなぁ」

 やっと涼しくなり、秋めいてきました。
季節と直接は関係ないのでしょうが、秋になると、門での会話が一段と楽しくなるような気がします。
活動の幅が広がり、経験も増え、伸び盛りの子ども達。まさに実りの秋です。
ご家庭でも親子の会話を楽しんでみられるようお勧めします。
 さて、最近小学生と話をする機会が何度かありました。
「幼稚園が良かったなぁ」とか「幼稚園に戻りたい!」と言うので理由を聞くと、皆が「遊びたい」「遊ぶ時間がない」と答えるのです。
そういえば、我が子が小学生の頃「怪獣になりたい。」「怪獣になって学校を踏みつぶす。」と言っていたのを思い出します。
詳しく話を聞くと、やりたいことが山ほどあり、とにかく遊びたいらしいのです。
一日24時間のうち、食事や睡眠の時間を除いたら学校にいる時間が一番長い。
その時間がもったいないので、学校がなくなればたくさん遊べる…というのが結論でした。
それから20年が経った今も、小学生の〝遊びたい欲求〟は相変わらずのようです。
ただ、小学生になれば幼稚園の頃のように遊べなくなるのは当然です。
遊ぶ時間が少なくなるのは昔も今も同じなのに、遊べない〝残念感〟が強くなる一方なのはどうしてでしょうか?
私は、「しなければならない感」の増加と、「お楽しみ感」の低下がその理由だと思います。
小学生の話の中に、「小学校では〇〇することになっている」とか、「〇〇はしてはいけないと言われる」という声がありました。私はここにヒントがあると感じています。
「させられている」「決められている」という感覚が強いのです。
もちろん幼稚園でも好き勝手ばかりはできませんが、決められたことの中に「したいこと」が保証され、しなければならないことにも「お楽しみ」が確保されているのです。

この春、長男が中学校講師(体育)を辞めて大阪から帰ってきました。
コロナの影響で4月からの予定が狂って家にいるので、年長組の川遊びに誘って手伝いに来たのですが、その息子が、「オレ、どうやって遊んでいいかわからんちゃけど…」と言うのです。
サッカー部の顧問として、「中学生は技術を教え過ぎると伸びんし、続かんっちゃん。のびのび楽しんでサッカーせんとね。」と言っていましたし、自分は小さい頃から、遊んでばかりいたのに、遊び方がわからないと言うのです。
〝遊んでやる〟のではないし、遊びは、させられてするものではないということもわかっていたでしょう。
遊んで育ったからこそ、子どもの遊びに寄り添うのは難しいと感じたのだと思います。
私はここに〝遊び〟の深さを見ます。保育のプロとしての専門性がそこにあると思うのです。

3月、卒園する前に年長の男の子がすれ違いざまに私に言いました。
「園長先生、小学校はね、廊下は右側を歩かんといかんとばい!」
「幼稚園でもそうだよ?」
「えっ、そうなん?」
子ども達は、憧れと緊張を持って小学校に入学していきます。
もう幼稚園じゃないんだという自覚もありますし、勉強だって楽しみにしている子がほとんどです。
しかし、幼稚園との違いを感じつつも、同じように楽しくのびのび過ごしたいと思っているはずです。
あっちがいいとか、こっちが嫌とかではなく、どちらが正しいとか間違いとかでもなく、幼稚園の遊びと、小学校の学びは、どちらも子ども達にとって嬉しいもの、楽しいことであって欲しいと思います。
みんな、頑張れ~!

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