げんきワールド 11月号 体育講師 手嶋和仁(げんきスポーツ)
今月のげんきワールドは何を書こうかなあ…と、何年か前の原稿を読み返していたところ、何となく今、読んで頂けたらな…と思って引っ張り出してきた、8~9年前の原稿で書いた話です。
決して“自信作”等ではありませんし、ましてや“手抜き”でもありません…?ので、そこのところをご理解の上、さらっと読んで頂ければ…(僕が最近、“先生って…”って、少し考えていたこともあっての“今”です。)
毎週録画している“ちびまるこちゃん”の話なのですが、(ちなみに“サザエさん”も毎週録画しています。)
その話の中にとても素敵な先生が出てきました…
音楽の授業で習った“たてぶえ”のテストに向けて、家や学校で練習するまるちゃん。
最初のうちは、あまりやる気が無かったのですが、お姉ちゃんに教えてもらったり、放課後、親友の“たまちゃん”と一緒に練習しながら少しずつ上手になっていくのでした。
そしてテストの前日、ついに一回も間違えることなく曲を吹くことが出来たまるちゃんは、自信満々でテストの日を迎えたのです…が…
自分の順番が回ってくると緊張で手が震え、何度も何度も間違えてしまうのでした。
「昨日はあんなに上手くできたのに…あんなに練習したのに…きっと先生に叱られる…みんなに笑われる…」
曲を吹き終えてがっかりのまるちゃん…そんなまるちゃんに先生がかけた言葉はこうでした。
「よく頑張って練習しましたね!放課後、学校に残って練習していたのを何度も見かけましたよ。」
それを聞いたまるちゃんは、本番で失敗したことには少しもふれず、努力を認めてくれた先生の言葉に、とても温かく嬉しい気持ちになったのでした。
その先生は、いつも出てくる担任の先生ではなく、音楽の先生だったのですが、まるちゃん以外の上手に吹けなかったこども達にも、それぞれ素敵な言葉をかけていました。
全く練習をしてこなかった“山田くん”それはそれは下手だったのですが、ニコニコと楽しそうに笛を吹く山田くんの姿を見た先生は、「とっても楽しそうな演奏でしたね!見ている先生まで、何だか楽しい気分になりましたよ。」と、いったふうに…
お世辞でも何でもなく、この話を見ながら天使の、こども達と関わる姿勢や、運動会の練習、運動会本番の先生達の事を思いました。
園長先生もいつも言っておられるように、運動会で見て頂きたいのは、技の完成度や、他の子と比べることではなく、失敗も含め、その子自身の頑張りや、表情だと僕も思います。
こども達全員が、持っている力を全て発揮し、上手くできたかというと決してそうではなかったかもしれません。
でも、こども達は9月から少しずつ準備を進め、それぞれの思いで練習に取り組み、運動会本番を迎えがんばりました。
運動会の練習に限らず、僕はなるべく“楽しく楽しく”を心がけてこども達と接してはいるのですが、練習を始めた頃、年中さんの中には平均台や跳び箱が怖くて怖くてたまらない子がいたり、お友達の前で何かをするのが嫌な子もいました。年長さんの中には組体操の練習がきつくて痛くて嫌だった子もきっといたはず。
だけど、そんなこども達に無理矢理させたり、特訓させるのではなく、こども達の気持ちを受け止め、寄り添い、やる気を大切にしながら運動会に向かい本番を迎えた天使の姿勢に“ちびまるこちゃん”を見ながら改めて共感したのでした。
大げさかもしれませんが、教育の現場に関わる沢山の人達が、まるちゃんの先生のように、こども達のがんばりや気持ちを大事に、そして一人一人の個性や良いところをいっぱい感じることができ、認めてあげること、褒めてあげることが出来るようになれば、もっともっとこども達は元気に、のびのびと大きくなっていくことが出来るのでは…なんて考えたりする秋の夜長なのでした…
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