現代社会においては早さ(能率)と結果(効果)が重要視され、数字による「評価」で良し悪しが決まる風潮がますます強まっています。
そのような社会の中での子育てには、とても大きな不安が伴うようになってきているようです。特に、集団生活の中で他の子と比べて「できない」「違う」「遅い」ということは、幼児期といえども気にかかり、保護者の皆様の悩みや焦りのタネになっています。
しかし、できなくて悩み、違っていて迷い、取り残されて不安になるのは大人ではなく「こども自身」。当園では、常に「こどもの視点」に立つことを忘れないようにと心がけています。
それぞれに個性あふれるこども達を、「皆が同じように」でも「人と比べて」でもなく、一人ひとりを受け止めて育むことで、こども達自身が大切にされているということを実感し、ノビノビと、意欲的に、楽しんで毎日を過ごします。
「できた!」「やった!」と達成感を感じることができれば、「もっともっと!」「なんだろう?」「やってみたい!」と、新しいことや困難なことにもやる気満々でチャレンジできるはず。教師達は常にこども達に寄り添い、全力を尽くして受け止める努力をしていきたいと思っています。
「安心感と信頼関係のなかでの教育」。これが当園の大切にしている姿勢です。
かつては「子どもは遊びの天才!」と言うことばをよく耳にしていましたが、それが実感として湧かなくなりつつあるように思います。
物が豊かになり、店頭には工夫をしなくても遊べる本物さながらのおもちゃが並んでいます。自然が壊され、冒険心や想像力を育む遊び場も少なくなってしまいました。一人でも楽しめるゲームが普及し、友達と群れて遊ぶ姿も見られなくなりつつあります。そして何より、無心になって遊ぶゆっくりとした時間、何をしてもいい自由な時間が少なくなっています。こどもたちが「忙しい」と言うようになり、時間があっても「何をしたらいいの?」と聞いてくるようになりました。
当園では、知育と呼ばれる「教材」を使った学習はありません。英語や文字・数を教えることもしません。しかし、「学習」の基となり、「生きる力」となる、様々な「経験」と、そのために必要な「時間」「空間」「人」などの環境を整え、幼児期にしかできないこと、この時期にこそ必要なものをこども達に伝えたいと願っています。
こども達が本来持っている「育つ力」は、特に幼児期においては遊びを通して、楽しみながら、人と人との係わり合いの中で育みたい。
「教育」よりも「響育」を! 天使幼稚園の方針は、「どうすれば心に響くか!」を大切にした「体験」。「遊びが勉強、勉強が遊び」です。
1.遊具やおもちゃがなくても遊べるこども
2.身体を動かし、手指を使い、五感をいっぱい働かせて遊ぶこども
3.発見や試行錯誤を楽しめるこども
4.「人」との関わりを楽しめるこども
5.豊かに表現するこども
6.「どうしてだろう?」「どうしよう?」を大切にするこども
7.言われたとおりにではなく、自分で考え行動しようとするこども
まだまだ沢山あるのですが、このような子どもは「否定・禁止」や「指示・強制」では育てることができません。
「ダメです!」ではなく、「どうすればいいか」に気付くこと。
「しなさい!」ではなく、「どうすべきか」を考えること。
これが、私達がこどもに伝えたいメッセージです。
教師が「教える」のではなく、彼ら自身が「学ぶ」ことが大切だと思うのです。
一日の始まりや食事の前など日常生活の中で、一週間の始まりには教会の礼拝堂で、また誕生日や行事など特別な時にも、いつも神さまが私達を守り、導いて下さっていることに感謝を捧げます。手を合わせ、目を閉じて、心の思いを言葉にして祈る姿からは、目に見えない「神さま」を身近に感じているのがよくわかります。形あるものや目に見える結果だけが評価されがちな今日の社会において、こどもたちの心を育てる大切なひとときです。
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